雲取山登山

Last update:2003/ 9/19

年月日
通算走行距離(km)
2003/ 7/19
32,600

 写真がきれいでよくまとまっていたので、ヤマケイJOYの槍穂特集を買った。余りの景色の良さに夏のスポーツはこれしかないと久しぶりに山に登ってみることにした。登ったことがあると言っても20年ほど前に知人の山屋さんに連れられ、富士山と燕岳を登っただけだ。もちろん、いきなり槍や穂高に登る自信もない。まずは、先々週行った後山林道終点が登山口になっている雲取山に登ることにした。
 Webを漁ると、上り3時間、下り2.5時間だし、小学生でもほいほい登っているので、軽い気持ちで妻を連れて登った。
 装備は、かなり前に買ったがあまり履いていない甲高のウォーキングシューズ、スキーの時使っている大きめのデイパック、山と高原地図、コンパス、etrexLEGEND(携帯GPS)、数日前購入した雨具(モンベルのレインダンサー)、ガスストーブ、コッヘル、食料。妻は私の古いデイパック、雨具はポンチョ、スニーカーだ。後から考えると妻のは山を甘く見た格好だった。
● 後山林道
 自宅を5:00すぎに出発する。奥多摩方面にはいつも、川越街道、府中街道、青梅街道経由で行っていたが、府中街道に左折するのを忘れたこともあって、ナビの誘導通り、浦和所沢街道経由で行ってみたら、ほとんど渋滞なしに箱根ヶ崎の交差点まで進めた。ここから青梅街道に入り、7:10頃小河内ダムでトイレ休憩し、R411の「お祭り」が7:40頃、ここから右の坂を登り後山林道に入る。
 あいかわらず、黒土の固いフラットなダートに所々くぼみがあり、水が溜まっている。水たまりを避けながら進む。後山川沿いの林に覆われた眺めもさほどよくない暗い雰囲気の林道だ。
 ダート8.7kmを30分足らずで走り終え、終点に着いた。先々週は時間が遅かったせいもあり、20台近く車が停まっていたが、今日は軽のワンボックスが1台しかいない。すぐ後ろを走ってきたPRADOと一緒に、落石のなさそうな所に車を停める。

● 雲取山
 林道終点の切り返し場所の奥に登山道がある。8:45頃出発し、まずは三条の湯をめざす。三条沢沿いの細い道を進む。渓谷の水の音が林の中にこだまして、涼しさを引き立てる。緩やかな坂を進み橋を渡ると上の方に大きな建物が見える。ジグザグの坂を登ると三条の湯だ。ここでトイレ休憩。ここは飛龍山への分岐にもなっていて、何組かの登山客が休憩していた。

いざ出発 三条の湯手前の橋 三条の湯
出発
林道終点から登山道に入る
三条の湯手前の橋
三条沢を渡る。
三条の湯


 5分ほど休み先を進む。もう一度三条沢を渡ると、道が狭くなり傾斜がきつくなる。滑りやすいので注意して進む。間違って足を滑らせたら、谷底まで滑り落ちるだろう。妻のペースが上がらない、三条の湯から20分で着くはずの青岩鍾乳洞への分岐に35分かかって到着する。
三条沢の橋 狭い坂を上る かえる
三条沢
坂が急になる
こんなのもいました

 5分ほど休んでから先を進む。同じような樹林帯が続くので退屈だ。40分ほどで、狭いが木が切ってあり開けた水無尾根に出る。あいにくの天気で視界が悪いが、吹き抜ける風が涼しい。
 三条の湯を過ぎてから、etrexLEGENDはほどんど登山道の右側を移動していた。水無尾根で完全に登山道は尾根に乗っているはずなのに、地図ではその右側を通っている。
GPSの誤差も考えられるが、少なくとも水無尾根に乗る部分では、地図の登山道が間違っているのが分かった。
 妻は、このあたりから完全にばててきたようで、止まる回数が多くなってきた。せっかく来たのだからもうすこし頑張ろう。小学生でも軽く登れるのだからと励ましながら、先を進む。さすがに、毎日の通勤も車だし、冬、スキーには着いてくるが、数本滑っては休んでばかりいる運動不足の体を、いきなり片道3時間以上の山登りに連れてきたのは無理があったか。途中、何度かもう帰るというのを、子供をなだめるように元気づける。スニーカーで連れて来たのに無理があった。それでも少しずつでも足を前に出せば、いつかは目的地に着くもので、12:50頃、青岩鍾乳洞分岐から2時間50分かかってやっと三条ダルミに着いた。
水無尾根 登山道に咲く花 暗い林の中
水無尾根
道端に咲く花
暗い登山道

 三条ダルミからは天気が良ければ富士山が見えるというが、ガスで何も見えない。
ここから山頂までは40分であるが、妻にはここからの急な坂を登る自信がなかったようで、ここで待っているという。思えばここまでよく着いてきたものだ。10分休憩した後、1人で頂上を目指す。尾根の左側に鹿を見つける。こちらに気付くと、坂をぴょんぴょんと下っていった。あれぐらいの足があれば、こんな山、1時間もかからずに登れるのだろう。写真を撮りたかったが、残念ながらデジタルカメラは少し前にバッテリーが切れ、予備のバッテリーも充電するのを忘れてしまいって使えない。
 少し上ると、傾斜が一気に増す。今までで一番の急坂だ。おまけに小川が蛇行しているように掘れている。今日初めて自分のペースで上ったこともあり、息が切れる。それでも30分で頂上手前の避難小屋が見えた。少し前に水無尾根付近で追い抜かれた4人組とすれ違う。
 年配の二人連れが本当の頂上はもう少し上だよと教えてくれる。「そんなこと知っとるわい!」と思ったが、「ありがとうございます。知っています。」とていねいにお礼を言った。何といっても、20年ぶりにはじめた山登り初心者なのだから。
 避難小屋からものの数分で山頂に着く。ここは山梨県、埼玉県、東京都の境となっていて、東京都で一番高い所だ。看板の前で50才ぐらいの夫婦のツーショットを撮ってあげる。こっちが埼玉県、あっちが東京都、と指を差しながら話していて楽しそうだった。
 下で妻が待っているので、避難小屋わきのトイレで用を足しそそくさと下山する。三条ダルミまでの1/3ぐらい下りた辺りだろうか、下から声がする。なんと妻が上って来るではないか。しかたないので2人でもう一度山頂を目指す。さきほどの夫婦に「50代でも登れるから頑張って」と励まされる。年ではない、日頃体を動かしているかどうかなのだ。
 なんとか2人で山頂に立つことができ、つい最近買った妻のiショットで写真を撮ることができた。まだ使い方を熟知していないので、120x120の小さいサイズで撮影していたのに気付いたのは下山してからだった。

雲取山山頂 石尾根
なんとか山頂での写真が撮れた
石尾根をバックに避難小屋付近で撮影

 当初は山頂で昼食を作るか、北側の雲取山荘でビールを飲んでから下山する予定だったが、そんな時間もなくなり、うかうかしていると日が暮れてしまう。少し休んで下山する。
 上りも大変だったが、下りも大変だ。狭い登山道では足が滑る。間違って登山道から滑り落ちたらへたをすると死ぬかもしれない。やがて林の中は暗くなりはじめ路面が見にくくなる。マグライトを1本持ってきてはいるが、使わないで済ませたい。山頂からの最初の下りで急いだせいか、右膝が少し痛くなる。
 やがて雨が降ってきた。幸い木々の葉に守られ雨具を使うほどではない。なんとか17:30頃三条の湯に着く。この辺は木が上にないので雨が当たる。小屋の人に頼んで屋根の中に入れてもらう。
 当初はここで一風呂浴びてから帰る予定だったが、日もかなり落ちてきたので、一休みしただけで出発する。朝は軽々歩いて来た緩やかな坂道がかなり長く感じる。この頃になると右膝をかばっていたせいか、左膝も少し痛くなってきた。やはり20年ぶりなのと40才を越えた年のせいか。三条沢のほとりにはテントがいくつか張られている。宴会をしているようで何人かの笑い声が聞こえる。18:05それでもなんとか登山口にたどり着く。たぶんこの日の最後の下山者だったであろう。ともかく2人とも怪我もなく無事下山できたことを喜び合う。
地図
登山ルート
緑が登山道。赤が上り、黄色が下りの軌跡。登山道と軌跡がずれている所がある。
断面図
往復断面図
 途中まで降りてまた登った行程は省略してある。三条ダルミから山頂の坂がかなり急だが、全体的に急な狭い坂が続く。足を滑らせ谷に落ちないように気を付けなければならない。

● エピローグ
 暗い後山林道を急いで降りる。さして興味のない林道は長く感じる。林道の出口付近で2台のセダンに追いつく。お祭りからR411を東に向かい、途中小河内ダムで裾の汚れを落とす。膝のダメージは相当で車から降りるのにかなり苦労する。歩くのがつらい。途中夕食を食べてから帰宅した。

 行程をまとめると、以下のようになる。
 林道
外山林道:{ダート8.1+(舗装0.6)}x2=ダート16.2+舗装1.2km

 登山
林道登山口 8:48-(0:30/0:30=実時間/標準時間)- 9:18三条の湯 9:20-(0:35/0:20)- 9:55青岩鍾乳洞分岐10:00-(2:50/2:00)-12:50三条ダルミ13:01-(0:29/0:40)-13:30雲取山山頂14:22-(0:35/0:20)-14:57三条ダルミ15:03-(1:55/1:40)-16:58青岩鍾乳洞分岐16:59-(0:33/0:15)-17:32三条の湯17:37-(0:28/0:20)-18:05林道登山口
 歩行時間 7:55/ 6:05(=実時間/標準時間=ca.1.3)
 休憩時間 1:22
 全行程  9:17

 標準時間の1.3倍もかかった。まあ、最初はこんなものか。そのうち標準時間以内で歩けるようになるだろう。


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